WA/コルトMKIVシリーズ80オフィサーズACPオールシルバーモデル
種別 | 仕様 |
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バージョン | SCW3 |
スライドノッチ | 貫通ワイド型、めくれ対策なし |
フロントサイト | ワイド型ノーマル(ドット有) |
リアサイト | ワイド型ノーマル(ドット有) |
トリガー | ラージサイズ、ノーマルトリガー(銀) |
バレル | アルミ製コーンアウター&真鍮製メッキ無しインナー、プラチャンバー、プラグ一式 |
セフティ | 4mm軸シングル |
スライドストップ | 抜け易い |
フレーム | 実物グリップ装着は不可 |
ジャンル | 作品 | 使った人 |
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映画 | HEAT | アル・パチーノ |
映画 | DENGEKI | スティーブン・セガール(正確にはジェネラル・オフィサーズ) |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
コルトが発売したコンパクト.45オートです。 コルトの.45オートと言うと、ガバメントとコマンダーしか無く、長らくコンパクト.45オートの発売を希望する声がありました。 なかなか発売しなかったのは、技術的に難しかったからです。 バレルを短くして、そのままティルトさせると傾斜角がきつすぎる事や、コンパクト化による耐久性の問題などです。 この隙間を縫う様にデトニクスがコンパクト.45オート「コンバット・マスター」を発売。 私はこのデトニクスで「コーンバレル」という物を始めて見ました。 コンバット・マスターは.45好きに大好評。外国刑事ドラマ「マイアミバイス」の主人公ソニーがバックアップとして足のアンクル・ホルスターに放り込んでいました。
1976年発売のデトニクスに遅れること8年、1984年にコルトは「オフィサーズACP」というコンパクト.45オートを発売します。 バレルはフルサイズの5インチから3.5インチに短縮。グリップも切り詰められ装弾数は1発減って6+1発となっています。 デトニクスとは異なり、コーンバレルなのですがその一方でバレルブッシングも併用するタイプとなっています。 プラグもデトニクスとは違い、リコイルスプリングガイドを使わないタイプです。 極力ガバメントと似たパーツ構成にしたかったのではと思います。 のちコルトはディフェンダーという3インチのコンパクト.45オートを発売、最小の座をそちらに譲っています。
映画ではガンマニア御用達「ヒート」にてアル・パチーノが使っています。 また「DENGEKI」でスティーブン・セガールが使っているのは「ジェネラル・オフィサーズ」で、 オフィサーズのスライドにフルサイズのフレームが取り付けられたモデルです。
ショップにて新品を定価の約半額で購入、投売り品でした。 またその値段じゃなければ買わなかったと思います。理由はその中途半端なグレードです。
左右両面
マグナテック・カスタムライン
WAの入門機を目指して仕上げの簡略化やパーツの一体化などでコストを下げた廉価版。それがマグナテックです。
そしてそのマグナテックの高級機としてマグナテック・カスタムラインというグレードが追加されました。
オフィサーズACPはそのグレードで発売されています。しかしながら…
廉価版の高級機
これを聞いて買う人が居るでしょうか。安さを求める人はマグナテックか東京マルイ製を買うでしょう。
高級(ハイエンド)志向の人には見向きもされないと思います。
オフィサーズは不幸だったとしか言い様がありません。
右側面。ちょっとピンボケしました
全体的に白っぽい、塗装然としたシルバー仕上げです。表面はザラザラな上すぐ剥がれそうな感じがします。 スライドはHW、フレームはABS製ですが、色調が同じでツートーンになっておらず統一感があります。 ここは素直に良かったと思います。 またHWスライドと、亜鉛合金製メタルグリップのお陰でコンパクトサイズながら結構重量があります。 スライドやフレームが短い為、かなり「身が詰まっている」感じがします。
前部後部
アウターバレルとブリーチのクロームメッキがかなり安っぽいです。プラモデルに入っている金属部品のメッキみたいで高級感がありません。
5インチなら別のモデルからアウターバレルを持ってきて付け替える事が出来ますが、オフィサーズはそれも出来ない所が厳しいです。
またブッシングがかなり固い上に、WAのもJAのブッシングレンチも合いません。
JAのブッシングレンチを傾けて引っ掛け、なんとか回して抜きました。
前部。インナーバレルは当然、真鍮ムキ出しです
後部。ハンマーを起こすのを忘れました
ノッチ部分とチャンバー付近
悪名高い貫通ノッチ、フラッシュを焚くとリコイルスプリングが見えます。
チャンバーカバーは後部ではなく前部が抉れています。実銃通りですが何故こうなっているのかは不明です。
ノッチ。スプリングが見えます
エジェクションポート。前部に抉れがあります
マガジンベースとハウジング
マガジンベースがフレームとツライチなので、格納すると一体感がありコンパクトモデルの面目躍如といった感じです。
グリップが縮んだのを、メインスプリングハウジングのみを縮める事で対処しています。
弾一発分短くなっている訳ですが、手が大きい私にはかなり持ちづらくなっています。
セガールが「ジェネラル・オフィサーズ」を使ったのは尤もな話です。
前述の通りハウジングのみを短縮した為、5インチモデルとグリップセフティが共用できます。 デトニクスではグリップセフティ部分を縮めていましたので、対照的です。 コマンダーやオフィサーズはフレーム後端がビーバーテイル対応なので、パーツ交換によってタクティカル系モデルへ変身させる事も可能です。
マガジン。マガジンベースがフレームとツライチです
ハウジング。ショートサイズのメインスプリングハウジングです
マガジンを抜いてみる
V10と同じデザインのマガジンですが、仕上げが全然違いました。
オフィサーズは表面がザラザラで、V10はツルツルしています。
高級感といい、剥がれに対する強さといい、V10の方が良く見えます。
マガジンリリース。加工後そのまま塗装しているみたいです
スライド分解
分解してみて分かりましたが、スライドとフレームがかなりタイトです。
それでいて作動はスムーズ。ここは素直に良かったです。
前述のとおりブッシングが固い上、WAやJAのブッシングレンチが合わなくて苦労しました。
スライド分解。ブリーチの安っぽさが際立ってます
フレーム分解
スライドストップが貫通ノッチ用の為、非貫通ノッチに引っ掛ける溝がありません。
個人的にはトリガー、サムセフティ、グリップセフティを交換するとかなり見栄えが変わる気がします。
フレーム分解。メタルグリップがかなり重量を稼いでいます
キビキビ動く
ブリーチの切り欠き部分が利いているのか、
ビシッともベンっとも聞こえる切れの良い音でビシビシブローバックします。
作動の良さが本製品の数少ない売りです。例によって命中精度や初速などは省略です。
総評
小型、スライドHWな事も手伝って作動重視の人、V10の様なカスタムよりも無骨なオフィサーズが好きな人ならば買いです。
現在絶版ですが、高級化したオフィサーズ(カーボンブラック版)がかなり高い(定価で3万円以上)ので、
売れ残っているのを見つけたら、こちらを買うのも手でしょう。
- HWスライドとABSフレームが同じ色調で塗装されている
- 最小クラスながらメタルグリップの効果もあり、重い
- HWスライドのお陰で、リコイルが結構ある
- グレードが中途半端
- 貫通ノッチ
- 仕上げ
ある模型店でアルタモントのオフィサーズ用アルチマグリップが半値で売られていました。 その後別の模型店に行くとオフィサーズがこれまた半値。 運命を感じずには居られません。オフィサーズを購入後最初の模型店にとって返し、グリップも購入しました。
アルチマグリップ
独特のデザインでアルタモントのグリップの中で一際異彩を放つグリップです。
以前はガバメント用も存在しましたが、現在はオフィサーズ用のみが流通している様です。
尚、アメリカではガバメント用も引き続き販売している様なので、日本で入れるのを止めてしまったみたいです。
木製グリップ装備。
フレームやプランジャーガイドにかなり覆い被さる形状の為、スライドストップやレバーの長いサムセフティと干渉する場合が有ります。 試しにウイルソン・センチネルに付けてみるとスライドストップが解除出来なくなり、サムセフティは何とか解除位置まで下がるもののスライドと擦りそうな微妙な位置になってしまいました。
メーカー | 製品 | 価格 |
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アルタモント | オフィサーズ用アルチマグリップ(材質不明、多分ウッドマイカルタ/ローズ) | 7,500円 |
部品 | 症状 | 対策 |
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特に無し |
現在このオフィサーズは絶版ですが、後継機種がリリースされています。 …殆どカーボンブラック絡みです。フルHW、非貫通ノッチ、仕上げが上等なオフィサーズが欲しいです。
ただ実銃と違い、WA製品はM1911のノーマルモデルより、カスタムタイプが主流です。 その為
- サイトがしょぼい(非ボーマー、非ノバック)
- サムセフティの軸が4mm(アンビ不可)
- ビーバーテイル・グリップセフティが付かない(オフィサーズは可)
- フレーム全面にチェッカーが無い(滑る)
ホールドオープン。バレルが小さく見えます