タナカワークス/FNハイパワーMkIIIの修理と改造1 シアーレバー交換


シアーレバーが折れた…。

タナカワークス製FNハイパワーの弱点と言われているシアーレバー。
遂に私のも折れました。

摩訶不思議な構造。

トカレフと並んで世界中でもっとも量産されたピストルと言えるFNハイパワー。
その魅力は何と言っても13発の装弾数。
今でこそ少なめですが、発売された1935年当時は他の制式拳銃のほぼ倍の容量を誇っていた。
でもこの銃、トリガーからハンマーへの動力伝達が独特。

  1. トリガー(フレーム側)
  2. シアーレバー(スライド側)
  3. ハンマー(フレーム側)

発射時に激しく動くスライド。
ここに取り付けられたシアーレバーを介してハンマーへ動力を伝えています。

何でスライドを経由するのさ。

素人でも「不確実」「毎回トリガープル変わりそう」と不思議になる。
まあトイガン撃っている限り作動不良とかは無かったんですが。
その理由は実銃のパテントにあります。
このFNハイパワーを作ったのはコルトM1911ガバメントも作ったあのジョン・ブローニング。
あとデュードネ・サイーブも居ますが割愛します。
だったらガバメントのトリガーでいいじゃん、と普通なら思います。
ところがガバメントのパテントを丸ごとコルト社に売却したため、
自分で発明したのに使えない。
という状況になった様で。
苦肉の策、パテント回避の産物がFNハイパワーのトリガーシステムという訳です。


エジプト製真鍮シアーレバー。

トイガンは意図的に強度の無いパーツで作っている。
しかしコルトパイソンのリバウンドレバー等「亜鉛合金で作るには無理がある」パーツもある訳です。
ネジ類なんかは普通にスチールですし。
折れる前から噂に名高かった「エジプト製真鍮トリガーレバー」が真っ先に頭に浮かびました。
しかし入手方法が分からない。
お店で売ってるの見た事ありません。
たまにヤフオクで出るのですがいつ出るのかは全くの未知。
そんな折、たまたまイベントで「戦民思想」というショップでジュラルミン製シアーレバーを発見、購入しました。

ところが付け方が分からない。
元のシアーレバーには車輪の様なパーツ(正式名称不明※)が付いているのですが、買ったレバーには付いていない。
外して付けるのかと思いましたが外れない。
そんなこんなでまごついていたら…シアーレバー無くした。
でも捨てる神あれば拾う神あり。
別のイベントでエジプトが出店、最初に目をつけた真鍮シアーレバーを販売していました。
やっぱり車輪パーツは付いていない…やはり外して取り付けるしか無い様です。
ともあれ購入し、道具を揃えて無くさないうちに取付することにしました。

※パーツリストにシアーレバー、シアーレバーアクシスピンという名称がありますが、図面に番号が見当たらない。
(4.シアーレバーアクシスピン→どこ?)



穴付きまな板、ピンポンチ、ハンマーそして丸棒ヤスリ。

まな板の穴の部分に車輪パーツが入るようにセット。
裏側からピンポンチ+ハンマーを使って押し出します。
かなりガッチリ嵌っていたらしく、2つに割れたシアーレバーが更に割れて3つになりました。
ともあれ車輪パーツゲットです。
左右に出っ張りがありますが、短い方をシアーレバーに組み込みます。
長い方はスライドを貫通し、外から見える部位になります。

次にこれを真鍮シアーレバーに組み込むのですが…全然嵌まらない。
キツめになっているのは分かるけれど、穴が小さすぎないか?
そのままじゃどう頑張っても入りそうに無いので止む無く丸棒ヤスリで削りました。
スカスカになっても困るので、少し削っては組み込みを試すトライアル&エラーを繰り返します。


真鍮って結構柔らかい。

車輪の出っ張りが中空になっているので、ここにピンポンチを差し込みハンマーでガンガン叩いて押し込む。
するとシアーレバーが曲がってしまった。
真鍮って固いと思っていたけれど薄いと曲がるんですね。
これは手で逆に曲げて戻します。
やっと嵌ったと思ったらナナメになっていたりして、嵌ってない部分にピンポンチを当てて再びガンガンと叩く。
ヤスリと力技でようやく車輪パーツの組み込みに成功。

そしていよいよスライドへの組み込み。
トリガーを引くとハンマーが落ちる、やった!!
ところがマガジンを入れて実際に作動させると…スライドが途中で停止。
分解してスライド部分を確認すると…シアーレバーがまだ若干曲がってる。
トリガーに当たる部分が内側に曲がっているのでブレーキが掛かっている模様。
また分解して手で水平、或いは外側に曲げていく。
曲げ過ぎるとまた作動不良になりそうなので、再び少し曲げては動作確認のトライアル&エラーです。


オラのハイパワーが元に戻った!

嬉しいですが言わばこれはマイナスがゼロになっただけ。
真のチューニングはここから始まります。
次回はカスタムパーツの組み込みです。

タナカワークス/FNハイパワーMkIIIの修理と改造2

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