WA/クラークボーリングピンモデル(ピンガン)フレームシルバー
種別 | 仕様 |
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バージョン | SCW3 |
スライドノッチ | 非貫通ワイド型、めくれ対策なし |
フロントサイト | 無し。亜鉛一体型バレルウエイトに設置 |
リアサイト | ボーマー型 |
トリガー | ラージサイズ、ノンホールトリガー(銀) |
ブリーチ | SCW |
バレル | プラ製コンペ用アウター&真鍮インナー、プラグ一式 |
セフティ | 5mm軸アンビ(スウェンソン刻印) |
ジャンル | 作品 | 使った人 |
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シティーハンター | 漫画 | ケニー・フィールド |
エンジェル・ハート | 漫画 | 香瑩(シャンイン) |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
その名の通り
ボーリングのピンを落とす為の銃です…すいません、説明が足りませんでした。
アメリカの射撃競技で机にボウリングのピンを5本並べ、どれだけ早く全部に当てられるかという競技がありました。現在のスティール・チャレンジ(5枚の円い鉄板に、どれだけ早く当てられるかを競う競技)に似てますね。
これで無類の強さを誇ったのがジム・クラークの作成した『クラークボーリングピンモデル』通称ピンガンです。
日本に紹介されたピンガンには使用者『マイク・ダルトン』のネームがチェンバーの下に入っていました。 記憶が不確かなのですがこのマイク・ダルトン、昔月刊Gunで紹介されたことがあります。 45オートの2挺拳銃で、マシンガンのような速射やってました。 空ケースが3個続けて舞っている、まるでベレッタM93Rの3バーストの様な写真がとても印象的でした。
左右両面
コンペンセイターが有名になる前なので、先端に付いているのはバレルウエイト、重りです。 その上にフロントサイトが載っています。フロントサイトとリアサイトの距離が長いと正確な照準が可能です。 他方別々の部品にサイトを付けると発射ごとに誤差が出ないか心配ですが、そこらへんの話はありませんでした。
『銃は重いほど反動が減る』『競技銃はずっと腰にぶら下げる必要が無い』事から、バレルウエイトに加えアドバンスド・グリップ・システムが採用されています。凄そうな名前ですが要するにグリップの間に鉄板を挟み、重量を稼いでいる訳です。他に特徴的だったのが木製グリップです。スキップド・チェッカーという独特のデザインをしたグリップがいかにもカスタムという印象でした。
因みに漫画『シティーハンター』と『エンジェル・ハート』の作者はピンガンが好きらしく、両作品でピンガンを登場させています。またシティーハンターといえば、
1.出現する銃が月刊Gunで紹介される実銃と一部リンクしていた
(野上麗香のペッパーボックスやキングコブラ、海原神のアナコンダなど)
2.グロックが初登場したとき、刻印やティルトしないチェンバーなど旧MGCのガスブロ丸写しだった
のも印象的でした。
ネットショップで新品を購入、カスタムのベースガンにする為です。 また懐かしさもあります、その昔旧MGCのモデルガンを持っていたからです。 このピンガンとのちに発売するホーグ・ロングスライドは共に旧MGCがモデルガン化していましたので、 これで遊んだ人をターゲットにしたフシがあります。
まず気になったのが価格、定価36,000円です。高い高いと言われているWA製品でもトップクラスの値段。 確かにグレードも渋谷カスタムワークスブランド、SCW-HCM(ハイコンセプトモデル)と最上級なのですが、 果たして金額に見合う仕上がりなのか気になる所です。
右側面。シリアルは『MIKE DALTON』モデルと一致します
シリアルナンバー『70G11393』とあります。こちら「実銃について」で紹介した、マイク・ダルトンのピンガンと同じ番号です。彼のピンガンはチャンバーの下に『MIKE DALTON』、スライド先端に 『SOUTHWEST PISTOL LEAGUE 1977 CHAMPION』という刻印が入っているのですが、そこまで求めるのは厳しいでしょうか。
まず気になったのがトリガー、上下にかなりグラついています。ラージトリガーなのに何故。 また分解しようとしたらスライドストップが物凄く固い。今まで分解した中で、1、2を争うぐらい固いです。 因みに最強は『SW1911PDガンサイト・エディション』。未だに外せません。 ドリル通してフレームとシャーシの穴を合わせていないのでしょうか。 他に気になったのがセフティON/OFFの度にプランジャー・チューブがグラグラ動く事です。 どれも他のモデルでもあったり無かったりしますが、高級機にしては作りが甘い気がします。
インナーバレル
残念な事に真鍮剥き出しでクロームメッキされていません。バレルウエイトは亜鉛の鋳物の様です。
前後サイト
バレルウエイト一体型のフロントサイトと、リアサイトはボーマーです。
ドット入りのサイトに比べるとちょっと見づらいですが、十分なレベルです。
![正面](_images/was_pingunsv03.jpg)
正面。インナーバレルがメッキされていないのは残念です
![背面](_images/was_pingunsv04.jpg)
背面。ドットが無いので照準にちょっと戸惑います
スライド
シリーズ70ラージ刻印です。大きいうえに後加工で入れられていてとても迫力があります。
先端にはクラークの刻印も入っています。
スライド。刻印が所狭しと入っています
スライドを分解
インナーバレルは5インチ以上の長さが有り、専用タイプです。
マズルウエイトから除く銃口は専用のダミーマズルを2箇所でネジ留め。
アウターバレル、アウターコーンはウイルソン・スーパーグレイドと同じ様です。
そしてプラグ、先端がフラットでコーンバレルに最適だと思っていたこのプラグが難物でした(後述)。
スライドを分解。マズルウエイトの構造が凝っています
フレームも分解
外部パーツはピンガン独自のものが多く、仕上げも上等です。
特にヘレッツ社製木製グリップは本物だけあって存在感があります。
角型フレームが何よりのお気に入り…と思っていたらここにも難がありました(これも後述)。
フレームも分解。ショートホーンのハンマーはピンガン独自のものです
フレームの塗装剥げ
フレーム後端、ハウジング辺りの塗装が剥がれ黒い下地が剥き出しです。
作った後にぶつけたのならグリップやハウジングにも傷がある筈ですから、最初からこの状態と思われます。
ハイコンセプトでこれは無いんじゃないでしょうか。
フレーム。ここ(後端)だけ剥がれています。他の部分、別の部品に剥げや傷はありません
プラグが錆びてる
分解してびっくり、フレームの内側に赤い汚れが付着しており「何だこりゃ」と思ったら錆でした。
最初スプリングが錆びているのかと思ったら発生源はプラグの内側。
ここで発生した錆が作動の度にスプリングに付き、更にフレームに伝染していた訳です。
プラグの内部が錆だらけです、スプリング経由でフレームにまで赤い錆が付いていました。
綿棒やティッシュにガンオイルを染み込ませて拭きましたが、写真の通りちょっとやそっとで落ちる量じゃないです。 ここまで錆びたプラグを見た事がないのですが、一体どうしたんでしょうか。
結構強いです
最後に作動チェックです。
例によって初速と命中精度は省略ですが、ブローバックは予想より強めでした。
アドバンスドグリップでフレームが重いので、もっと大人しめかと思っていました。
個体差だと良いんですが
フレームとプラグ、インナーバレルの件は残念です。
インナーバレルのメッキ省略は仕様でしょうが、フレームの剥げとプラグの錆に関しては偶々ハズレを引いた可能性もあります。
他にも気になる部分はありますが「概ね及第点、でもあと3000円安く出来なかったのか…」というのが感想です。
購入の際は分解しないと確認できないプラグは仕方ないとして、店頭で可能な限り外観をチェックして購入する事をお薦めします。
- バレルウエイト。旧MGCのプラ製、フロントサイト接着に比べ格段の進歩です
- フレーム。角型トリガーガード、HW製でノーマルトリガー仕様
- 本家ヘレッツ社によって再現されたスキップド・チェッカーグリップ
- フレーム後部が剥げていた
- プラグ内部が豪快に錆びていた
- インナーバレルがメッキされていない
- 値段が高い
自作カスタムのベースガンにする予定です。
部品 | 症状 | 対策 |
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特に無し |
スライドにブッシングの入る溝があり、 試しに5インチ化してみました。 中々…というかこっちの方が格好よい気がします。但しフロントサイトが無いので狙えません。 フロントサイトが付いて5インチ化したピンガン…欲しいです。
5インチ化。スライドストップが無いのはまだ固くて取り外しが大変だからです