WA/コングスベルグM1914
種別 | 仕様 |
---|---|
バージョン | SCW3 |
スライドノッチ | 非貫通ワイド型、めくれ対策あり |
フロントサイト | 差込型 |
リアサイト | ノーマルVノッチ型 |
トリガー | スモールサイズ、ノンホールロングトリガー(黒) |
バレル | 真鍮製黒染めアウター&真鍮製メッキ無インナー、メタルチャンバー(無刻印黒染め)、プラグ一式 |
セフティ | 4mm軸ミリタリータイプシングル |
スライドストップ | 抜き易さは普通 |
フレーム | 実銃用グリップ装着の可否は不明 |
ジャンル | 作品 | 使った人 |
---|---|---|
――― | ――― | ノルウェー軍 |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
参考:ウィキペディア(英語)
参考:kongsbelgcolten.com(ノルウェー語)
コングスベルグM1914はコングスベルグコルトとも呼ばれ、その名の通りノルウェーのコングスベルグ工廠で生産されたコルトM1911のコピーです。 当時ノルウェー軍はロシア製のナガン・リボルバーに代わる軍用拳銃としてコルトM1911を採用、コングスベルグ工廠でライセンス生産することにしました。尤も最初は生産設備が間に合わず、コルト社から買ったM1911を納入していたそうです。
その後コングスベルグ工廠での生産ラインが完成すると、自国製造に切り替えました。 この自国製造に当たり、M1911からアレンジされた部分があります。 スライドストップとグリップの形状変更です。 スライドストップが後ろ斜め下に延長され、これに伴いグリップも抉りこむ様にカットされました。 これは手袋をした状態でも操作しやすい様にとの配慮でした。
左右両面
第二次世界大戦でノルウェーはナチスドイツに占領されてしまいます。 そして今度はドイツの指示でこのコングスベルグを作り続ける事となります。 ドイツ軍向けに製造するいっぽうで、レジスタンスにも多くの部品が秘密裏にもたらされ、抵抗軍の武器となりました。
尚、以下は特に希少なモデルとなっています。
- レジスタンスが使用したシリアルや承認マークが無く、仕上げもされていない“ランチボックスコルト”モデル
- ドイツ占領時の1945年だけに付けられたドイツ検品マーク(ヴァッフェンアムト)入りモデル
- 最初に作られた(1914ではなく)1912入りモデル
新品をWAガンネットで予約購入。 大好きなM1911の貴重なバリエーション、その中でも見た目に違ってて面白いコングスベルグとなれば買わずにはおれません。 トイガンではエランが大変美しいコングスベルグのモデルガンを発売していますが、20万円もしてとても手が出なかったので。
ちょっと期待と違ったけど
コングスベルグだから 買おうと決めていました。期待と違ったというのはまず 色がグレー な所。
実銃もパーカーなので間違っている訳ではありません。
ただエランのイメージが強かったので、是非ともロイヤルブルー塗装で出して欲しかったです。
次にグリップ、 木目調メタルグリップ でしたが、ここはやはり木製がベスト。何故ならコングスベルグの抉りグリップは売ってないから。 つまり私の最大の楽しみであるグリップ交換が出来ない訳です。でも コングスベルグだから これも気にしない事にします。
そして値段。ミリタリーで定価約42,000円というのはこれまでで最高額です。それだけに色やグリップはもうちょっと頑張って欲しかった。 とにかく コングスベルグだから …。う〜んちょっと苦しくなってきましたね。 それでは気持ちを切り替えて各部を見ていく事にします。
前部と後部
基本的にミリタリーなので、従来品とあまり変わりません。コングスベルグという事でブッシングにシリアルが入っているぐらいの違いしかありません。

前部。バレルブッシングにシリアルが打ってあります

後部。昔のモデルなのでサイトはおまけみたいな物です
売り1:ランヤード付マガジン
ミリタリーモデルに多いランヤード付マガジンを、WAではこれまで作っていませんでした。
理由は簡単、ランヤードの部位にガス注入口があるから です。
WAではこれを引っ張って回転させるランヤードを付けることで解決。しかもマガジンだけ先行発売するほどの力の入れ様です。 別売りするということは、ミリタリー系のバリエーションを沢山作っていく意図の表れ。そう期待せずにはおれません。
ランヤード回転。これでガスが入れられます
売り2:シリアルナンバー、スライドストップとグリップ。そして…
いま一つの売りがパーツ一つ一つに打たれたシリアルナンバーです。ほんとうにそこかしこに打たれています。
それだけにパーツが殆ど専用品となっています。これはかなり頑張ったと思います。
そしてコングスベルグ最大の特徴である延長スライドストップと抉りグリップ。 最初に実銃を見た時は「変な形だな」と粗悪コピーを見る様な印象だったのですが、何回か見るうちに「味があるなぁ」と考え方が変わった部分です。そして実際にWA製品を手にとって見ると、手を持ち替えないと解除できないM1911のスライドストップに比べ格段に使い易い のが分かります。

シリアル。グリップセフティとハウジングにも打刻されています

スライドノッチ。試作品は小さいノッチだったのに
しかし残念な、本当に残念な部分がこのコングスベルグにはあります。スライドノッチの幅が広い事です。まるでキンバーみたいな広いノッチです。画像で比べると分かりますが、従来のM1911では狭かったノッチが何故か大きくなってしまっています。
箱を開けて、最初に目に入った部分だけに本当にガッカリしました。しかもこの部分、試作品では広くなかったんです。量産品でなぜ急に変わったのか本当に疑問です。
ここだけは コングスベルグなのに と思わずにはいられません。
加えて トリガーが未だにスモールサイズ なのも気になります。WA製品はSCW2の途中より、トリガーの高さが実銃に近いラージサイズになりました。 SCW3ではほぼ全機種がラージサイズに移行したのですが、シリーズ70/80やミリタリー、ウイルソンなどが未だにスモールサイズのままです。 もしかしたら、「オーソドックスタイプ」はスモールサイズで正しいのかとも思いましたが、オフィサーズはラージサイズのトリガーを使っています。 こちらも一刻も早く修正して欲しい部分です。
スライド分解
艶のある真鍮黒塗装のアウターバレル、無刻印の黒染めメタルチャンバーを装備。
アウターバレルとインナーバレルは分解できました。
プラグのフランジ(ふち)が磨いてあるのが印象的でした。
フロントサイトはイモネジ、リアサイトはプラスネジ一本で固定されています。
スライド分解。
フレーム分解
スモールサイズのトリガーなのは分かっていましたが、トリガーバーが黒塗装でビックリ。
ハウジングピンがかなり固く、抜くのに難儀しました。
フレーム分解。
実射
一度も実射していないので、省略します。
【追記】
ベシッベシッという音とちょっとモッサリ目のブローバック。
例によって命中精度の調査は省略します。
総評
かなり頑張っているのは分かりますが、この値段であの内容は余程のマニアでなければ買わないだろうと云う印象です。
そして私が買ったのは、これが売れないと
「ロイヤルブルー塗装で、木製グリップ標準装備で、ノッチが小さくなった」ニュー・コングスベルグが出ないだろうという理由からです。
つまりこれはお布施。是非値段に見合う仕上げと仕様のコングスベルグに作り直して欲しいです。
右側面。パーツ構成は前作とあまり変わっていません
- 出してくれた事。云いたい事はありますが今後に期待します
- トリガーがスモールサイズ
- ノッチがでかい
コレクション目的で購入したので、このままにしておくと思います。
部品 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
特に無し |
続き出してください
せっかくランヤード付きマガジンも別売りした事ですし、刻印バリエーションを少数で良いので出して欲しいです。
実銃でもレアとされる ファーストモデル(1912刻印入り)、ランチボックスモデル(無刻印レジスタンス仕様)、1945年製ドイツ占領下モデル(ヴァッフェンアムト検品マーク入り) などです。
またロイヤルブルー塗装で木製グリップ付き、ノッチサイズ修正版を是非希望します。
ホールド・オープン。シリアルが多い所為かよりメカメカしく見えます