WA／キンバーTLE/RLIIブラックモデル

レビュー：by RIK

種別仕様

バージョン SCW2

スライドノッチ非貫通ワイド型、めくれ対策なし

フロントサイトドブテイル（ドット有）

リアサイトキンバー型（ドット有）

トリガーラージサイズ、3ホールトリガー（銀）

バレルアルミ製アウター＆真鍮メッキ有インナー、リコイルスプリングガイド一式

セフティ 5mm軸シングル

スライドストップ取り外しに難あり

ジャンル作品使った人

なし

※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述

実銃の写真
カスタム45オートの世界に一種の「革命」をもたらした、キンバー・カスタムIIシリーズの一つです。この革命とは、「値段と供給」です。普通のピストルの値段が約600ドルに対しカスタム45オートの価格は約2,000～3,000ドル。つまり一般的なハンドガン3,4挺分に匹敵します。

加えてこれらは大半が手作業のため注文から何ヶ月も待たされることがザラ。実際FBIで採用されたパラオードベースのレス・ベアーカスタムは予定の数を納品するのに時間がかかり過ぎて問題となりました。キンバーは徹底した合理化とコストダウンでカスタム45オートをリーズナブルな価格（1,000ドル台）かつ大量に生産することに成功しました。

結果として

L.A.P.D SWAT
米海兵隊DET-1
L.A.P.D SISユニット

などが同社の製品を採用しています。

モデル名に「II」と付く物ばかりなのは、オートマチック・ファイアリング・ピン・ブロック（AFPB）内蔵を意味するからです。 45オートのAFPBの元祖はコルトですが、トリガーと連動して解除するタイプだったため、「トリガープルが変わる（悪くなる）」と不評、AFPBの無い過去のモデルが中古市場で値上がりするといった事態になりました。キンバーのAFPBはトリガーに干渉しないものとなっています。

左右両面

カスタムIIシリーズで、各種ライトが付けられる様にレールを設けたフレームを装備しているのがTLE/RLIIです。通常フレームにレールを切る（＝長さを稼ぐ）ためにフレーム先端をスライド前部まで延長するのですが、キンバーはフレームに「ダグラスカット」と呼ばれる反りをデザインとして入れることでガバメントの外観を崩さずにフレームを延長しています。

オークションで中古品を購入、スライド一式をカスタマイズに使うためです。個人的にレール付フレームへの興味もありました。ガバメントの様な元からある銃にレールを付けると「後付」「取って付けた」感があってあまり好きでは無かったのですが、前述のダグラスカットの件もあり、違和感の少ないレール付フレームだったからです。

右側面。スライドに外装式エキストラクターが再現されています

売りのレールですが、ちょいと形が違います。実銃の写真と照らし合わせる分かりますが、

レール部分が下に厚い
レールのガイド部分（溝）がもっと太い

ここを何とかして欲しいという声もありましたが、最近発売されたSISでもそのまんまでした。金型を修正しないと直らないので、改善の望みは薄そうです。

正面と背面。アウターバレルはアルミ製

レールドフレームで金属製グリップとかなり重量がある（実測で1,010g）のですが、アウターバレルはアルミでした。真鍮にすると更に重量がアップしそうです。インナーバレルはメッキしてあり、錆や退色に強いSCWグレードの物です。リアサイトはキンバーの固定サイトをよく再現しています。ヘイニーに似ているところが気に入っています。

スライド先端のリーフカット部分の根元にベアリングが埋め込んであります。こちらレールドフレームのみの仕様です。通常のフレームにこのスライドを付けるとベアリングがブレーキとなり、作動が低下。金属だけに削りにくいのでちょっと頂けません。各部レバー類の仕上げは丁寧で、綺麗な塗装です。

ノーマルとレールドフレームの比較。ノーマルのリアサイトはブレードの細いSWAT仕様です