WA/ホーグ ナショナルマッチ・ロングスライド オールブラックモデル セキトーVer.
種別 | 仕様 |
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発売 | 2007/09/頃 |
価格 | 33,000円 |
型番 | 不明(WAの公式サイトに掲載されなかった為) |
バージョン | SCW3 |
スライドノッチ | 非貫通ワイド型、めくれ対策あり |
フロントサイト | 差込型 |
リアサイト | ボーマー型 |
トリガー | ラージサイズ、ワイドナショナルマッチトリガー(銀、側面磨き) |
バレル | 真鍮製メッキアウター&真鍮製メッキ無インナー、プラ製チャンバー、リコイルスプリングガイド一式 |
セフティ | 5mm軸スウェンソンタイプアンビ |
スライドストップ | 抜きづらい(色違いモデルは抜き易かったので個体差?) |
フレーム | 実銃用グリップ装着可 |
ジャンル | 作品 | 使った人 |
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映画 | ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー | ジェームズ・カーン |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
左右両面
カスタムガンの黎明期に『.45オートのロールスロイス』と呼ばれた銃がありました。 ジェームズ.W.ホーグ、別名ジム・ホーグの製作するホーグカスタムです。 WAの国本社長も米国修行時代、5インチのホーグカスタムを使いシューティングマッチで優勝しています。
日本でも特に有名なのが6インチのロングスライドモデルです。 コルト・ゴールドカップ・ナショナルマッチをベースにスライドを延長し、バースト製バレルにスウェンソン製アンビセフティ、 ロングリコイルスプリングガイドにエクステンデッド(延長)スライドストップとカスタムパーツをフル装備したモデルが旧MGCからモデルガンで発売されていたからです。
マッチガンなのでプロの射撃選手が多数使用していましたが、スクリーンにも登場しています。 ジェームズ・カーン主演のザ・クラッカー(原題:Thief)という映画で主人公がホーグの6インチロングスライドを使っています。 因みにこの映画、あのマイケル・マンの初監督作品です。マニアならニヤリとする組み合わせですね。
中古品をネットオークションで購入。モデルガンを知っている世代には憧れの機種と言って良いでしょう。 かつて旧MGCがモデルガンで作っており、更にキットモデル化もしていたカスタムです。 キットの中でもピンガンとホーグ・ロングスライドは『SUPER KIT MODEL』という上記機種として販売されていました。
ホーグは高かったんです
学生だった私はピンガンのキットを購入しましたが、ホーグは買えませんでした。
当時のキットモデルの価格は5,000円前後、ピンガンのキットは13,000円、ホーグは13,500円と倍以上の値段だったのです。
かなり無理をしても両方は無理で、少しでも安いピンガンを購入したのです。
あとは「ロングスライドのホーグよりもバレルウェイト付のピンガンの方がよりレースガンらしく見えたから」というのもあります。
右側面。
横道に逸れましたのでWA製品の話に戻ります。まずは名称にある『セキトーVer.』について。 WAで発売したホーグカスタムはフレームシルバーとロイヤルブルーの2種となります。 この製品はトイガンの卸売業者セキトー別注バージョンのオールブラックモデルだそうです。
問屋におろす専門の製品
というのは初めて聞きましたが、そんな訳で当モデルはWAの公式ホームページに紹介はおろか告知すらなく、型番などのスペックが分かりません。
正直ガン雑誌での告知が無ければ存在すら分かりませんでした。
せっかく作ったんだから宣伝すればいいのに何故?
大人の事情を邪推してしまいそうですが、製品に罪は無いので考えない事にします。
さすがの重さ
肉厚のナショナルマッチスライドの6インチ、これに合わせて真鍮製アウターバレルとプラグも延長されている為かなりの重量感があります。
フレーム側にアドバンスドグリップが採用されていますので、シングルカアラムではトップクラスの重さでしょう。
そして注目すべきは仕上げの良さです。パーツの仕上げ・塗り共に丁寧で非常に好感が持てます。
これより高いピンガンの仕上げが今ひとつなだけに、かなり印象が良く見えます。
前部と後部
前から見るとナショナルマッチとほぼ同じ、リコイルスプリングガイド部分が違うくらいです。
細かく見ていくとフロントサイト形状も違います。
後部は現代のカスタムにも通じるボーマーサイトとアンビセフティで隙はありません。
グリップセフティがビーバーテイルじゃないのが時代を感じます。

前部。

後部。
トリガーとハンマー
ナショナルマッチタイプのワイドトリガーとホーグ独自のエッグホールハンマーです。
格好良いのですがどちらもシルバー塗装の上側面が磨かれており、亜鉛の地が出ている仕上げです。
コルト.45のコマーシャルモデルでは良くある仕上げですが、錆や退色が心配ですね。
スライド分解
分解に際してプラグを抜くにはコツがあります。
まずブッシングを外します。
次にプラグ下部に凸部をスライドの凹みから押し上げてから180度回転、前方に抜きます。
ロッドの抜き方ですが6インチ用で長いので、ロッド全部を緩めて抜いてしまうとあとは簡単に分解できます。
スライド分解。
フレーム分解
フレーム側で珍しいパーツはスライドストップとハンマー。
スライドストップはレバーの延長部が直線に後方に延びたタイプです。
格好良いのですが難点があります。グリップを選ぶ事です。プランジャー部分に被さって来るので、同じくプランジャーに被さるグリップとは干渉してしまいます。
付属のプラグリップ上部が直線にカットされているのはスライドストップレバーを避ける為です。
フレーム分解。
各部パーツ
ダブルホールのリングハンマーは旧ウイルソンの正楕円状ホールと違い卵型、つまり手前側がすぼまった形状のホールになっています。
こちらホーグカスタムでのみ使われているハンマーなので珍しいです。
ショートテイルのグリップセフティとラウンドチェッカーのメインスプリングハウジングは組み合わせることでグリップセフティがキャンセルされます。レースガンにグリップセフティは余分であるという考えですが、現代のタクティカルガンNOVAKネクストのアンサーも同じ思想で作られていますので先取りしています。
実射
ブローバックは想像よりも弱めでした。重い為反動が減っているのだと思います。
といっても従来のマグナと比べての話ですが。
毎度おなじみ、命中精度の調査はやっておりません。
総評
最近の製品では仕上げが良いのがとにかく良かったという印象です。
ホーグカスタムに思い入れのある人やロングスライドのカスタムが好きな人は買いです。
定価33,000円で既に絶版ですが、中古市場でもそれほど高くないので一度手にとって見る事をお勧めします。
- 仕上げが良い
- 重い
- ブローバックが弱め
- トリガーとハンマーの劣化が心配
グリップセフティとハウジングが面白いので、これを使ったカスタムを作成する予定です。
部品 | 症状 | 対策 |
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チャンバーカバー | 先端のネジ部分がもげていた | 購入当初、調子が悪かったんです。生ガス噴いたり、ブローバックがぎこち無かったり…。分解するとバレルがカパカパ動きます。 チャンバーカバー破損してました。バレルの長い6インチモデルは5インチ以上にチャンバーカバーへの負担が大きいのかもしれません。交換すれば直りますが、メタルチャンバーを使ったほうが良いでしょう。 |
試していませんが
アドバンスドグリップを外すことでリコイルがアップするかもしれません。
ホールド・オープン。