KTW/フリントロック・ピストル



実銃について…分からん!

私自身「銃が好き」と言っても興味の対象は基本的に弾が薬莢式になってからのもの。
おまけしてパーカッション(雷管)まで、つまりここ100年ちょっとの銃です。
マッチロック(火縄銃)とかホイールロック(鋼輪式/歯輪式)とかフリントロック(火打ち石式)といった先込めの銃は私にとって「歴史」です。
そもそも産業革命前の家内制手工業だった時代にメーカーなんてあるのか…ベレッタは当時から存在していたみたいですが。
そのためマニュアルとメーカー公式サイトとWikipediaからの抜粋で紹介します。

フリントロックピストルと言っても色々あると思いますが、モチーフになっているのはイギリス・ロンドンのホーキンス(HAWKINS)社製フリントロックピストル。
それもアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの銘が入った特注モデルだそうです。
弾丸は67口径。現代と比べるとかなり大きいですが、当時は10mm以上ある弾丸が多かった様です。
当時の黒色火薬は現代の無煙火薬と比べて威力が低いので、弾を大きくしたんじゃないかと思います。


不発時の処理あり

参考:
・KTW/フロントロック・ピストルのマニュアル
KTW公式サイト>フロントロック・ピストル
Wikipedia>フリントロック式


トイガンについて

なぜ良く分からない銃を買ったのか…それは良く分からなかったからです。
知らないからこそ興味を引かれたと。
KTWは岩手県花巻市に拠点を置くトイガンメーカーで、作動方式はエアコッキング、ラインナップはボルトアクションライフルとショットガンを中心に制作しています。
珍しい機種を作るメーカーは他にもありますが、タネガシマ(火縄銃)や今回のフリントロックピストルなど「他社が絶対に作らないであろう」銃をモデルアップしているのが特徴です。
私自身KTW製の「イサカM37ポリス(ソウドオフ改修済)」を所有しています。
現状KTW唯一のハンドガン、更に興味を引かれたのは作動方式です。

箱を開けると赤いフェルト地が敷かれており、古式銃らしい雰囲気を醸し出しています。
こちら一見布に見えますが、紙の様です。
銃本体の他に説明書、パーツリスト、ホップアップ調整用の六角レンチ、そして愛用者カード(アンケート葉書)が入っています。
公式サイトによると「第7ロット:R3年4月発売」とありますので、これは第7ロットみたいですね。



外観について

パッと見「銃」に見えませんね。
いや間違いなく銃なんですが、私がイメージする現代の自動拳銃とかアサルトライフルと掛け離れているという意味です。
銃というより「ザ・骨董品」といった感じです。
外観はプラスチック製のストック以外ほぼ金属製。
こちら「クラシック・スチールメッキ」が施されています。
銀色に黒いムラが混じったような色でいかにも「年代物」という感じが良いですね。

重量はBB弾未装填で745g、トイガンのピストルとしては一般的な重量です。
但し長いせいか重量以上に重みを感じます。
最初1kg弱位あるんじゃないかと思いました。


元の銃が特注品だからか各所にレリーフの様な装飾が施されています。
グリップ周りにもありますので、握るとゴツゴツします。
ハンマーには革に挟まれた火打ち石がセットされており、かなりリアルに見えますね。
そのハンマー後方に「ASGK」の文字があるのが何ともシュール。
因みにASGKに「古式銃にはマニュアルセフティを付けなくて良い」という規定があるらしいのですが、この銃が出なかったら一生分からなかったでしょうね。

他にビックリしたのがバレル。
アウターバレルとインナーバレルの間に透明なキャップが入っていて、これで固定&中心出しをしている。
最初「何で透明パーツなんだ、安っぽいじゃないか」と思いましたが、この銃は67口径。
大口径バレルの迫力出すために敢えてこうしたんじゃないでしょうか。
そのバレルの下は本来槊杖、つまり火薬と弾を銃身に入れた後に突いて固める棒なんですが、トイガンではここがマガジンになっています。


トリガー先端には玉が付いていて如何にもクラシックと思いましたがこちらにも意味がありました。
所謂トリガーストップの役割を果たしているんですね。
グリップの底にはかなりゴツい金属の蓋が被さっており、動物の顔が彫られています。
こちら所謂金づちで「一発撃ったら殴って戦え」という意味らしいです。

外観で残念なのは前述のプラスチック製ストックでしょうか。
基本的に私は木製グリップや木製ストックを買って付ける派です。
そしてCAW(MULE)から木製ストックが出ています。
但し20,000円ぐらいする上にグリップ周りの金属パーツが付かないのが悩みどころです。


作動について

フリントロック方式の銃をどうやってエアコッキングガンに落とし込むのか、ここが一番の興味でした。
通常のエアコッキングガンは基本的にハンドガンならスライド、長物ならボルトを「引く」事でピストンをコッキングします。
しかしこの銃は「ハンマーを起こす」ことで回転運動をギアに伝え、その力でピストンをコッキングする訳です。

このアイディアが素晴らしい。
但しハンマーはメチャクチャ重いです。
しかもこれだけでは撃てません。
ハンマー前方のフリズン(当て金)も起こす必要があります。
何の為にするのかというと、これでBB弾を装填します。
その為ハンマーだけ起こして引き金を引くとハンマーが落ちるだけでBB弾は出ません。



そのBB弾の装填ですが、バレル下の槊杖マガジンをまず時計と逆周りに45度回し抜きます。
そして槊杖のガイドとガイドの間から、BB弾を装填します。
装弾数は12発で最後のBB弾が半分頭出すとちょうど12発となります。
槊杖を戻してBB弾を押し込み、時計回りに45度回転させてロックします。
ここで手を添えてバネが飛び出さないようにすると上手くセットできます。


BB弾が半分出たらちょうど12発です

発射するとかなり大きい音がしてBB弾が飛んで行き、同時にハンマーとフリズンが落ちるので見ていて楽しいですね。
但し全く狙えません、サイトが無いから。
現代の様なサイトじゃないけれど、代わりになるものがあるだろう。
最初そう思いましたが、ホントにサイトがありません。
フリントロックピストルで貴族が決闘していたが、あまり死者は出なかったと聞いたことがあります。
そりゃ死人が出ない訳だ、当たらないもん。

でもこの銃にはイモネジ式の可変ホップアップシステムがあります、何という宝の持ち腐れ。
以上を踏まえると、このフリントロックピストルでスティールチャレンジやっているマック堺さんが化物に見えます。
なんでこの銃で簡単に当てているのかと。


この通り、狙い様がありません

5発撃った初速は以下の通り。

1発目:64.74
2発目:63.91
3発目:64.21
4発目:63.63
5発目:64.22

平均:64.14

音がデカイので初速高めかと思ったらそうでもない、ハンドガンと考えれば十分でしょうか。

総評

サイトが無いため初心者とベテランで差が出づらい気がします。
前述の貴族の決闘のごとく、これでシューティングマッチやったら楽しそうですね。

ここが好き

  • 唯一無二の存在である
  • コッキングやハンマーが落ちるところなど、モデルガン的に楽しめる。
  • 金属パーツの仕上げや装飾

ここがイマイチ

  • ハンマーが重いのでコッキングが大変
  • サイトが無いので狙えない
  • 槊杖型マガジンが抜けやすい、回すのが45度じゃなくて90度だったら良かったかも。

その他

ストックは交換したいですね。
ところが前述の通りCAW(MULE)の木製ストックはグリップ周りのパーツが付けられない。
そう思っていたら、ネットでこんなページを見つけました。

ECHIGOYA南福岡店>フリントロックピストル 木製ストック&パーツ移植加工

CAW(MULE)のストックを加工して、グリップ周りのパーツを付けられるようにしています。
これが欲しい…今やってくれるんだろうか。


因みにホルスターはイーストAの4インチショルダーホルスターに入りました。
バレルが長いから6インチ用じゃなきゃダメかなと思ったら行けました。
ちょうど切り欠き部分にハンマーとフリズンが入り込む形になり、非常に収まりが良いです。
専用ホルスターが必要だと思っていたので嬉しい誤算ですね。
但し抜く時に槊杖マガジンが抜けてBB弾がバラけました。
回す角度が45度じゃ浅すぎたんじゃないでしょうか、90度にして欲しかった。



CAW(MULE)/KTW フリントロックピストル用 木製ストック DX Ver.



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