ICS/Sarsilmaz SAR 9(サルジルマツ・サーナイン)トルコ製ポリマー拳銃のトイガン!


トルコ製拳銃のトイガンだと…?

トイガン化される銃器と言えば、欧米とイスラエル、ロシア製が基本。
それ以外の国々はまず作られません。
理由は売れないから。
例外としてトイガンメーカーが自国の銃を作ることがあります。
日本のトイガンメーカーが日本の銃器を作ったり、台湾や中国のメーカー然りです。
それ以外の銃器というのは本当にレア。
トルコの銃器メーカーSARSILMAZ(サルジルマツ)のトイガンとかもう一生作られないんじゃないか。
ただ珍しいからといって手が出るものではありません。
当然見た目が気に入ったというのもあります。

トルコの銃器メーカーのイメージ。

国としてのトルコは何かと日本と縁があり、良いイメージがあります。

  • エルトゥールル号遭難事件
  • エルトゥールル号のお返し
  • 急速に近代化を成し遂げたのは明治維新とトルコ革命だけ

縁があるというと日本が一方的にお金を出したという「円がある」場合も多いです。
しかしトルコと日本はお互い助け合った真の「国同士の友人」関係と言えるでしょう。
将に中東の日本といった感じの国ですね。

但し銃器に限って言うと中東の日本じゃなくて「中東の中国」といいますか、著作権意識が薄いイメージがあります。
うろ覚えですがガン雑誌でショットショーを取材したときのこと。
トルコのメーカーが某拳銃のそっくりさんを発表していたんですね。
レポーターが「ライセンスを取っているのか」と尋ねるとぼかされた。

またトルコの次期制式採用小銃にHK416が選定された時のこと。
H&Kとライセンス生産の契約する前に生産を始めてしまい、怒ったH&Kから契約をキャンセルされてしまった。
結果トルコは自分で小銃を開発せざるを得なくなり、生まれたのが「MKEK MPT」です。
この小銃を見るとストックの形とかHK416にそっくりで、あんまり懲りていない感があります。

トルコ製拳銃との出会い。

こちらガン雑誌に掲載された「Canik TP9」という拳銃です。
ワルサーP99のフレームにH&K USPのスライドが載ったようなデザインで、安くて性能が良い=コスパが高いと紹介されていました。

実銃にはSAとDAがあるんですが、ストライカー方式のSAモデルにデコッキングレバーを搭載しているのは謎ですね。
(デコックするとスライドを引かないと撃てなくなる)

台湾のトイガンメーカーICSのイメージ。

長物電動ガンを数多く作っているメーカーですね。
最近だとM4をP90ぽくしたような「HERA ARMS CQR」なんかが印象的。

他方ガスブローバック、増して拳銃を作っているイメージは薄いです。
じゃあSAR 9が初のガスブローバック拳銃なのか?
そう思って公式サイトを見るとベレッタ92やオリジナル拳銃を出している様ですね。

ICS Airsoft(英語)>PISTOL
ICS Airsoft(英語)>PISTOL>SARSILMAZ SAR 9
ICS Airsoft Japan(ブログ・日本語)

基本的にハンドガンの種類は多くなく、また正式ライセンス商品も無かった様です。
残念ながら私は今までICS製品を買ったことはありませんでした。




ICS SARSILMAZ SAR 9

前フリが長かったですが、いよいよ製品紹介です。
箱は黒一色に白文字で製品名が書かれています。
そして中を開けてビックリ。
付属品が…凄く多いですね。

  1. 銃本体
  2. マガジン
  3. 交換用バックストラップ(LARGE)
  4. クリーニングロッド
  5. サプレッサー等取付アダプター
  6. 弾速証明書
  7. マニュアル(英語オンリー)
  8. 電子マニュアルのURLが載ったカード

個人的にかなり気合の入っている感じがします。
加えてスポンジの中蓋が付いているなど、梱包が丁寧ですね。




グロックP99

この銃の第一印象はこれです。
グロック17のスライドにワルサーP99のフレームが付いている銃という感じ。
そのフレームをよく見てみると、バックストラップに加えサイドパネルも外せるみたいです。
そのデザインは所謂スパイダーグリップに近いもの。
ワルサーP99というよりはH&K VP9(SFP9)の方が似ていますね。


KSC製グロック18C、マルゼン製ワルサーP99と

スライド

左側には刻印が無く「MADE IN TAIWAN」のシールが貼られているだけ。
正式ライセンスなのに…そう思ったら実銃も無刻印なので合っています。
よく見るとスライドストップの切り欠きがありません。
どうやら内側にだけ溝があるみたいですね。
めくれが気にならないので、この構造はありがたいですね。


スライド右側には刻印が集中しています。
こちら実銃では将に刻印、つまり彫られてるのですがICS製は白いプリント。
ちょっと残念ですね。
但しエキストラクターは金属の別部品と凝った作りになっています。
スライドを引くとフローティングバルブがオレンジ色で、目を引きます。
実銃で最近よくある「赤いマガジンファロアー」をイメージしているんでしょうか。


バレルとリコイスプリングガイド。

バレルにはネジが切られており、付属のアダプターをねじ込む様になっています。
これにより14mm逆ネジ仕様となり、各種サプレッサー等が取付可能です。
当然ですがネジ切りされているので、ライフリング表現はありません。
また驚いたのがリコイルスプリング。
物凄く太い。
まるでバレルが2本あるかのようで、ここまで太いリコイルスプリングは見たことがありません。


極太リコイルスプリングガイド



前後サイト

ノバックに似たタイプで、3ダット方式なので大変見やすいです。
またこちらのダットは蓄光塗料が塗られており、暗所で光ります。
しかもかなり強く長く光る。
海外製とは思えないくらい至れり尽くせりな作りですね。


フレーム

マット調の黒で滑りにくく、質感はかなり良いです。
海外製トイガンで好きなのがここ、日本製のトイガンは何故かABS樹脂という感じのテカリが強いですね。
フレーム先端の左側に「SARSILMAZ」、右側に「MADE IN TURKIYE」の刻印があります。
また下部にはシリアルプレートがあるのですが「Cal. 6mm BB」となっています。
正式ライセンスでもここは変えざるを得なかった感があります。
目立たない所なので特に気にはなりませんね。


トリガー

グロックそのまんまで、コッキングインジケーター機能もあります。
但し一工夫があり、左右の根本に赤い▲が入っていてコッキング状態が一目で分かるようになっています。
残念だったのがトリガーセフティです。
機能自体は問題ないのですが…先が凄く尖っている。
引くと時々指に刺さります、しかも金属製。
実銃がそうだとは思えないので、設計ミスっちゃったんでしょうか。
他方トリガーストロークがめちゃくちゃ短くて、他社のグロックなどと比べても遊びが全然ありません。
色んな意味で「尖った」トリガーですね。
ちょっと引くとスグ発射されるので、暴発に注意です。


トリガーセフティが尖っている上にかなり飛び出しています。


しかも金属製です。

マガジンキャッチ

長方形というちょっと珍しい形のマガジンキャッチです。
マニュアルを読んだ所、左右の入れ替えが出来る様です。


フレーム後端のピン?

実銃ではここにマニュアルセフティを装備したモデルがあります。
いずれバリエーションで…多分出ないと思います。
なぜならこのピンはモールド表現だからです。
考えてみるとこの銃ってマニュアルセフティが一切(エアガン用セフティすら)ありませんね。
指に刺さるトリガーセフティだけが頼みです。


このピンはモールドです。

グリップ周り

握ってビックリ、今まで握った銃の中でもトップクラスに握りやすい。
比べるとグロックは勿論、ワルサーP99よりも手に吸い付きます。
上記で述べたようにバックストラップの他サイドパネルも交換出来そうです。
但し割りピンで留めているというのがやりにくい。
また交換用サイドパネルは付属していないので現状外す意味がありません。


マガジン…吹き戻しがある!

ガスを入れるとシューシュー音がしてビックリ。
完全に日本仕様に合わせてきている。
日本で「SAR 9を売りたい」という意欲を感じます。

ポリマー拳銃のトイガンにしては重い。

本体551g、空マガジン264g、合計775gと意外とずっしり。
注入後のマガジン281gなので、17g入った計算になります。
吹き戻しがあるとこの辺の計算は楽ですね。

慣らし=ブレイク・インでビックリ。

まずガスを入れて空撃ち…するとスライドが途中で止まりました。
これまで色んなガスブロを買いましたが、一発目で作動不良を起こしたトイガンは初めてです。
冬だし寒いからかとマガジンの温度を計測すると24℃あります、これで作動してくれなかったら困りますね。


戻る途中じゃなくて、下がる途中で止まった…。

もしや実銃準拠?

こちらの射撃動画を見たら時折ジャムを起こしている。

…ひょっとして実銃を「リアル」に再現した結果なのか。

10発程で解消。

その後スライドが引っかかったり引っかからなかったりを繰り返し、10発ほど撃つと引っかからなくなった。
良かった、ちょっと渋いだけだった。
動きは最近のガスブロと比べると若干遅めですが、気になる程ではありません。
ただスライドが引っかかっているのは間違いない様で、手でゆっくり戻すと止まります。
因みに初速を計ると、

67.01(単位:m/s)
67.49
65.85

そこそこ出ていますので、不良品という訳でもなさそう。

すり合わせとか、グリスアップした方が良さそう。

試しにスライドとフレームを分解してみると、白いグリスがベッタリ。
海外製のグリスは潤滑性能がイマイチと聞いたことがあります。
むしろブレーキになっているんじゃないのか。
またスライドとフレームの噛み合う部分のすり合わせもした方が良さそうです。
元のグリス除去→ヤスリ等で擦れている部分を磨く→手持ちのグリスを塗布。
これで良くなりそうな気がします。



ここが( ・∀・)イイ!!

  • 唯一無二のトルコ拳銃トイガン
  • グリップが握りやすい
  • トリガーストロークが短い
  • マガジンが最初から日本仕様
  • 付属品が多い

ここが(´・ω・`)ショボーン

  • トリガーセフティが尖りすぎ
  • 最初はスライドが渋い
  • 刻印がプリント
  • マガジンが高い


色々驚かされたが、楽しい銃。

今でも普通に撃てますが、上記チューンで更に化ける気がします。
現状でもトリガーセフティ以外は許容範囲ですね。
値段も実売17,000円とガスブロとしては安め(東京マルイ製を除く)なので、毛色の違うポリマーオートが欲しい人にはオススメです。
但しマガジンが5000円位と妙に高かったりする、バランスのよく分からない所がありますが。

実銃もトイガンもよく分からないモデルでしたが、予想以上に出来が良かったです。
下記アルコン・タイプBもかなり興味があるんですが、こちら25,000円くらいしてダメ元で買うにはちょっと高いです。
後は…ラウゴ・アームズのエイリアン・ピストルとかガスブロ化しませんかね。




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2件のフィードバック

  1. 土屋裕 より:

    マガジンへの弾の入れ方は一粒ずつですか?
    他に方法があるのでしょうか?

  2. RIK より:

    多少引っかかりますが、東京マルイのローダーが使えます

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