【映画】ハート・ロッカー(The Hurt Locker)の感想

爆弾処理は辛いよ。
イラクの戦場での爆弾処理を担当する米軍B中隊の活動を追いかけた、ドキュメンタリータッチの映画です。
戦場でも特に爆弾処理はやりたくない。
そんな雰囲気がモニター越しにも伝わってきます。
最初はロボットを使って処理していたんですが、途中で故障。
対爆スーツありとはいえ人力で処理に乗り出した時から緊張感が一気に跳ね上がります。
犠牲を少なくするために処理する人間はたった一人で爆弾に向かっていかなきゃならない。
無線があるとはいえこの孤独感半端ない。

そして他のメンバーはひたすら周囲を警戒。
この機を狙って狙撃とかリモコン起爆しそうな連中が居ないかを見張るわけです。
驚いたのは爆弾処理してるにも関わらず野次馬が多いこと。
イラクの人はアホばかりなのか。
お陰でただの民間人かテロリストなのか区別が付きません。

仮に怪しい動きをする連中が居たとして、撃って良いのかどうか迷っちゃう。
・携帯持ってる奴が怪しい。
・ビデオカメラ回しいる奴が怪しい。
・高い建物からこっち見てる奴が怪しい。
もう全員がテロリストに見えてくる。

危険な男ジェームズ。
前の班長が爆死して新しくウィリアム・ジェームズが班長として赴任してくる。
この男大胆不敵。
爆弾にズカズカ向かっていき、危ないとか逃げろという声を全部無視して片っ端から解体していく。
聞けばアフガン従軍経験があり、これまで解体した爆弾は800を越えるとか。
しかも自分が解体した爆弾の部品をコレクションしている。
爆弾マニアか神経がイッちゃている人なのか。
失敗すれば部隊丸ごと吹っ飛びかねない行為に部下のサンボーンは気が気じゃない。

任務終了まであと●●日。
事あるごとにテロップが出て、B中隊の仕事が終わりに近づいていることを示してくれます。
これが不安を煽りまくり。
あと●●日だ!なんて言った奴が明日死ぬんじゃないかというフラグに見えてくる。

軍医のケンブリッジが…。
過酷な任務に従事するB中隊のエルドリッジ。
軍医のケンブリッジは色々アドバイスするんですが聞いちゃいない。
所詮先生は内勤ですし。
毎日爆弾と顔を合わせている自分に何が言えるのかと愚痴っていると。
するとある日ケンブリッジが同行を志願してくる。
止めろ…。
もう危ない匂いがプンプンです。

基本的に近づいてくる民間人に対し米軍は「あっちいけ」という態度です。
銃や爆弾持ってるかもと思ったらそうやらざるをえない。
しかし先生はフレンドリーに接するわけです。
挙句帰ろうとしたら近くの荷物が爆発。
さっきまで先生がここに居たんだ!
自分が嫌味を言ったせいで先生が死んでしまった。
エルドリッジやりきれません。

そのエルドリッジが…。
自爆テロで多数の死傷者がでた現場に向かったB中隊。
あまりの惨状に怒り心頭のジェームズは犯人の追跡を決断。
俺達の仕事じゃない、というサンボーンの忠告も聞きません。
たった三人で路地裏に突っ込んだ挙句、テロリストにエルドリッジが捕まりそうになる。
助けようと撃ち殺したはいいが、弾はエルドリッジの足にも命中。
あんたのせいでこのザマだ!
幸い命に別状はありませんでしたが、長期療養のため去って行くと。
スタンドプレーがいつか裏目に出るのではないか。
そう思ったらやはりそうなった。

基本的に爆弾の解体がメイン。
銃撃戦はたまにあるぐらい、と思ったら狙撃戦がありました。
立ち往生したイギリスのPMC(民間軍事会社)の連中を助けようとしたら敵襲。
相手は遠くの小屋から狙撃してきた。
これに対しPMCのバレットM82を使ってサンボーンがスナイピング。
ジェームズはスポッターとして支援します。
マガジンを交換したら弾が入らない。
死んだ兵士の血が固まって装填の邪魔になってたんですね。
唾や水かけて必死に弾を洗うさまが何ともリアル。

頑張っても報われない。
ラストはやはり出てきた人間爆弾。
途中で手術で人体に埋め込むやり方を紹介してましたが、こちらは外装式です。
プラスチック爆弾満載したベストを着ているタイプ。
無理やり着せられたと主張する んですが、ホントかどうか分かりません。

反対するサンボーンに対しあくまでも救出を主張するジェームズ。
しかしこのベスト、鋼鉄製の鍵が付いていて容易には外せない。
タイムリミットは刻一刻と迫っている。
助けられなくて済まない。
一目散に逃げるジェームズ、そして爆発する被害者。
何ともやりきれませんね。

それでもジェームズは戦い続ける。
B中隊の任務が完了し、皆が帰還する中でジェームズはD中隊に移籍し爆弾処理を続行。
こんな恐ろしい任務を何故続けるのか。
冒頭にでた「戦争は麻薬」という言葉通りこの緊張感にラリっているのか。
爆弾処理は必要な仕事だ。
やはり使命感があるんだと思いましたね。

見応えはあるが、心臓の弱い方はおすすめしません。
ホラーとは違う恐怖があります。
いつ爆発するか分からない爆弾に近づいて行く時の緊張感が半端ありません。
見ている間は息をするのも忘れること請け合いです。

公式サイト / ウィキペディアimfab(登場した銃器の紹介)


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