映画「さらば あぶない刑事」感想。※ネタバレあり、ただラストはぼかします

注:これから見に行く人やビデオ化を待ってる人は見ないで下さい。

最後の同窓会?
TV放送から既に30年、初代捜査課長近藤役の中条静夫は既に故人。
舘ひろし65歳、柴田恭兵64歳。
まあ役者もスタッフもここまで続くとは思ってなかったんでしょうね。
特に鷹山役の舘ひろしと大下役の柴田恭兵。
この二人最初は馬が合わなそうと思ってたらしいですから。
ネタ元であるアメリカの刑事ドラマ「マイアミバイス」ではドン・ジョンソン演じるソニーばかりがピックアップされ、 タブス役のフィリップ・マイケル・トーマスは不満だったとか。

港署こんな綺麗になったの。
途中の劇場版で抜けがあるので知識は虫食いです。
港署の外観とオフィスが大幅に変化、物凄く綺麗になってビックリしましたね。
時代が進み、映像技術が進化し、ロケ先が変わっているとはいえ驚きました。

あぶ刑事と退職。
これほど合わない言葉があるでしょうか。
どう見ても途中で殉職するかクビになりそうだっただけに。
もっとも現役バリバリから退職までを追っかけた刑事ドラマ自体が皆無です。

俺、退職したら結婚するんだ…。
作中で結婚を考えている人がちらほら居ます。
それ死亡フラグ、じゃなくてお前らオカシイよ!
60歳を期に結婚て晩婚も晩婚、超晩婚です。
でも見た目がみんな若々しいから違和感がないのが逆に違和感。
特に町田透役・中村トオルの変わらなさは異常。
演じる舘ひろしも柴田恭兵も本来は60歳超えてる訳です。
更に言うと65歳の舘ひろしは年金の受給年齢に達してますよね。

パパさんもナカさんももう居ない。
タカとユージが退職ということは、それより年配の人は退職済み。
山西道広演じるパパさんも、ベンガル演じるナカさんも既に警察を離れている。
何故かどっちも飲食業に従事。
一緒に仕事をすることは出来ないけれど、出てきてくれるだけで嬉しい。
他方捜査課長トオルの補佐を務めるポジションに「瞳ちゃん、お茶!」の瞳ちゃんが残ってる。
こちらももう「ちゃん付け」 していいのかという年齢ですが、知ってる人が居るだけで嬉しくなってしまいますね。

見てる人もいい歳。
自分もそうですが、客層的にTV版を見ていた人が劇場に足を運ぶパターンが大半だと思います。
30代すら殆んどおらず、大体40歳以上。
当たり前ですね、30年前だし。
これで最後なので、今更新規開拓しても意味がありませんが。

犯罪も国際化。
タカとユージ最大の敵といえば暴力団・銀星会。
とっくに潰れているんですが、実は生き残りも居たりすると。
しかしメインの相手は外国のマフィアやテロリストにシフトしていますね。
一応日本の暴力団も居ますが影が薄いです。
中国マフィアにアメリカのギャング。
しかしタカとユージだと何とかなっちゃいそうな安心感があります。

柴田恭兵が走る!
犯人追っかけて川沿いの直線道路を疾走。
64歳でもこんなシーンやるとは思わなかった。
流石にバテてましたが、あの年齢でこれだけ走れれば見事なもの。
まだまだアクション行けるんじゃないのと思ってしまいます。

ファンを泣かせのレパードとハーレー。
終盤敵陣に乗り込むユージにトオルが与えた車はバリバリの新車じゃなくて、
日産レパード。
あぶ刑事初期で二人が載っていた車。
まだ残っていたのか、どっかから探してきたのか。
その後駆けつけるタカはハーレーに乗ってくる。
渡されたショットガン、レミントンM31を撃ちまくる。
あぶ刑事のみならず西部警察といった当時の刑事ドラマを思い起こさせる演出。
ファンは涙がちょちょ切れそうですね。
欲を言えばタカが昔使っていたS&W M586も出して欲しかった。

銃器に関して対照的な二人。
機種から仕様まで細かく注文をつける舘ひろしに対し、柴田恭兵はおまかせ。
スタッフは舘ひろしとのバランスを考えて柴田恭兵の銃器を選定しているそうです。
舘ひろしの拳銃がリボルバーからオートに変わったのは「ガバメントが好き」だから。
それもバリバリのカスタムじゃなく「素にちょっと手の入った」所が好みだそうで。

柴田恭兵の拳銃はシリーズごとにコロコロ変わりましたが、今回は何とS&W M10。
かなり先祖返りした印象があります。
もしかしたらカスタム仕様なのかもしれませんが、暗くてよく分かりませんでした。
表面もかなりリアルに仕上げてあるらしく、工場で舘ひろしのガバメントのスライド側面が反射するのが格好良かったです。

唯一残念だったのはヒロイン。
別に役者に不満はありません、問題だったのはその役どころ。
退職後に彼女とニュージーランドへ移住、タカの選んだパートナー。
でも見る方は初めて見るわけで誰これ状態。
その上とんでもなくおバカ。

嘗て敵のボスと交際していたらしいのですが、
結婚決まって引っ越しまでしたのに今だにフラフラしてるってどうよ。
新参に加え浮気症なところが何とも印象を悪くしています。
しかもこれで元外交官というのが信じられない。
警官と犯罪者じゃ迷う必要どこにある。
タカが入れ込むほどに見ている方は引いてしまうわけです。

いっそタカを裏切り銃をぶっ放してくる。
これぐらいなら逆に清々しかったですね。

総決算。
色々言いましたが「あぶ刑事」世代なら見ていて損はありません。
主要な役者やスタッフがほぼそのまんまで最後まで作った作品というのは非常に珍しい。
映画「リーサル・ウェポン」もそんな感じでしたね。


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