思い出のモデルガン~マルシン/S&W M586 6インチ

マイ・ベストリボルバー。
リボルバーの王様と言えばコルト・パイソン。
しかし私には不満がありました。
コルトのアクションはあまり好きではなく、特にサムピースが引くタイプだった所が気に入らなかった。
あとベンチリブはパイソンの売りの一つですが、個人的にあのデザインがどうも好きではなかった。

他方S&Wは全体的なデザインとアクションは好きでしたが、こちらにも不満がありました。
エジェクターロッドシュラウド(エジェクターロッドハウジング)が前方まで伸びておらず貧弱に見える。
ここはパイソンのデザインの方が好きだった。
じゃあスマイソンにすればいいんじゃね?
S&Wのフレームにパイソンのバレルを組み込んだ有名なカスタム。
なんか違う。
コルト とS&Wのデザインのツギハギに見えてしまった。

今考えるとしょーもない 悩みだったと思うのですが、そんな私の我儘を聞いてくれるリボルバーが…ありました。
パイソンのようなバレルを持つS&W  M586です。

これだ!!
見た途端背中に電撃が走ったというのでしょうか。
自分が欲しいリボルバーが形になった様な衝撃を受けました。
将来自分が結婚する相手に出会うと似たような衝撃をうけると言いますが、私とM586の出会いはそんな感じ。

.357マグナムの決定版。
S&Wの.357マグナムリボルバーといえばM19が有名。
日本でも「ルパン三世」次元大介の愛銃として知られています。
作中で連呼されたためM19という正式名称より 「コンバット・マグナム」という愛称のほうが有名なくらいですね。
しかしM19に採用されているKフレームは元々.38スペシャル用。
なので.357マグナムを使用するにはいささか強度不足だった。
同じ.357マグナムを使うリボルバーとしてM29と同じNフレームのM28ハイウェイ・パトロールマンが存在します。
強度は十分ですがこちらデカ過ぎ。
特にNフレームのグリップは「日本人にしては手が大きい」と思っている私の手にも余ります。
そこでKフレームより大きく、Nフレームより小さい中間のLフレームが新たに作られた。
スチール製のM586とステンレス製のM686です。

互換性は重要。
一回り大きくなったフレームは強度も十分、なおかつグリップはKフレームと同じサイズ。
同じというのが素晴らしい。
つまり数多あるM19の社外グリップがそのまま使えることを意味しています。
因みにM19の愛称「コンバット・マグナム」に倣いディスティングイッシュド・コンバット・マグナム という愛称も付けられていた。
これ全くと言っていいほど定着しませんでしたね。
distingished…抜群の、優れた、という意味なんですがややこしすぎる。
シンプルにスーパー・コンバット・マグナムにした方がマシだった気がします。

久々に現れたリボルバー界のスター。
S&Wのリボルバーは当時でも殆んど完成されており、逆に言えばこれ以上発展の余地が無いと思われていた。
こちらS&Wに限らずリボルバー自体が既に煮詰まっていた製品だったと思います。
そんな中で登場したM586/686はトイガン界でも大人気。
MGCとコクサイ、そしてマルシン各社で作られ競作となりました。

マルシンは最後発だったと思うんですが、まさに決定版という出来だったと思います。
外観の造形もさることながら他社と一番の違いはカート。
.357マグナムに相応しい長いカートが凄くリアルに見えました。
MGCとコクサイの.357マグナムカートは寸詰まりだったんです。
これはMGCとコクサイが既に.357マグナムの製品を持っていたことが関係していると思われます。
MGC…ローマン、トルーパー。
コクサイ…M19、M66。
つまり昔作られたリアルじゃないカートと共通化せざるを得なかった。
一方.357マグナムのモデルガンを持たないマルシンに制約は無かったと。

軽い!!
そんな理想のM586であるマルシン製で気になったのは重量。
6インチにも関わらず物凄く軽かった。
多分500gあるかないかじゃないでしょうか。
バレルやフレームがABS樹脂で作られるモデルガン。
構造上リボルバーはオートよりも軽くなってしまいがち。
これ別にマルシンの所為じゃなく、他社も同じだったと思います。
しかしオート中心だった自分にとってはかなりスカスカに感じました。

あとはアクションでしょうか。
トリガーやハンマーのアクションが物凄く軽く感じた。
本来ならトリガープルが軽いのは良いことなんですが、何かフニャフニャに思えるほどでした。
押せばハンマー落ちちゃいそうな感じ。
ここらへんはコクサイのリボルバーのほうがメリハリがあって良かった気がしましたね。
軽さというリボルバーのモデルガン共通の弱点は、のち克服されます。
言うまでもなくHW樹脂の出現です。


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