思い出のエアガン~MGC/H&K P7M13

もうブローバックじゃないと満足できない。
MGC/グロック17の成功はエアガン=ガスブローバックの図式を確立しました。
そうなると気になるのがグロックに続くガスブロ第2弾。
グロックの成功に気を良くしたMGCは散弾の様にバリエーション作ってましたが、やはり完全新規の製品に期待が高まる。
P7じゃないか?
という話がどこからか聞こえた。

当時のガスブロのシステム上、ハンマーの無い銃が作りやすかった。
そしてガス容量を考えるとダブルカアラム が望ましい。
現在はグロックの成功でストライカー方式の銃がいくらでもありますが、
当時は大型拳銃でストライカー方式、或いは内蔵ハンマー方式の銃は廃れていた。
なので消去法でP7、そしてシングルカアラムのM8じゃなくてM13という推測が成り立った。

HW樹脂製&スーパーブラックフィニッシュで見た目大アップ。
MGC/グロック17は作動と安さを重視した為見た目が玩具っぽかった。
元々グロック自体が玩具っぽい銃なんで、まるっきりMGCのせいじゃないんですが。
P7M13は打って変わったリアルな外観。
スライド、フレーム、グリップがHW樹脂製&スーパーブラックフィニッシュ仕上げ。
スクイーズコッカーや左右非対称マガジンにプレス成形技術を全力投入。
 20ものプレス金型と5種類の専用ジグを制作し、25の工程を経て作られるマガジン!
と技術力を高らかに謳っていた。

当時の自分には「まるで実銃のよう」に見えたものです。
そして売り方も実銃チック。
当時発泡スチロールに紙のフタが主流だったエアガンの箱。
こちらもプラスチックで専用のケースに入れて売っていた。
益々持って実銃チックでした。

更にMGCではP7の概要やバリエーションを紹介した詳細なパンフレットを作成。
その上イチロー・ナガタを起用してP7を題材にした小説「紫電の炎」まで制作。
こちらを小冊子にして配るなど宣伝にもかなり力が入っていた。

ジャッキン、ジャッキン、ステイプラー。
その動きからステイプラー(ホッチキス)とも呼ばれるスクイーズコッカー。
実銃と違いコッキング機能はなく純然たるセフティですが、楽しかったですね。
でも同時に「強く握らないと撃てないって命中精度どうなの」とも思いました。
ブローバックはHW樹脂製にも関わらずグロックと遜色ありません。
欲を言えば中型拳銃なんでグロックに比べて移動力が少ないんですが、これはMGCの責任じゃありませんね。

超デブグリップ。
元々実銃でシングルカアラム中型拳銃だったP7M8。
これを米軍のトライアル(ベレッタ92が勝ったやつ)に出すために無理やりダブルカアラム化したのがP7M13。
マガジンが左右非対称なのはその名残ですね。
その上MGCがガスガン用にアレンジしたため更にグリップが太くなって、
この世にS&Wのダブルカアラムより太いグリップがあったのか!!
という程太いグリップが出来上がってしまった。
これでスクイーズコッカー、強く握らないとならないのはかなり厳しい。

他にもアウターバレルのメッキが安っぽいとか、
リアサイトのネジが緩みやすいとか、
肝心のスクイーズコッカーが 板二枚で形成されておりその結合が弱くベロっと剥がれるとかありました。
でも全部差っ引いても外観のリアルさは現在と比べても遜色なかった。
またブローバックも実射性能はさておいて(ホップも無いですし)、キビキビと実によく動いた。

KSCでP7M8作ってくれないかなあ。
元々P7という銃はM8が完成形だったと思うんです。
それを無理やりダブルカアラム化したり(M13)、
.40S&Wみたいな強力な弾丸に対応させたり(M10)、
相当無茶な改良して見た目と評判を落としていった感があります。

今の技術ならシングルカアラムのP7M8を、超リアルに再現出来るんじゃないか。
ならば嘗てMGCの協力会社だったKSCが作ってくれないものか。
そう思ったんですが、正直古くて知名度低い銃って売れないんですよね。
作ってくれたら嬉しいけど、無理強いは出来ない感じです。


おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)