【映画】ローン・サバイバー(Lone Survivor)の感想

またもやシールズ。
一番宣伝に熱心な部隊とも呼ばれるだけに作りやすいんでしょうか。
シールズで11名+陸軍特殊部隊「ナイトストーカーズ」で8名の戦死者を出した、
レッドウィング作戦
を題材にしています。
映画を見るとシールズ失敗ばかりしているように見えますが、失敗したから公開してるのかもしれません。
成功したらあまり公にしないでしょうし、
作戦は計画通り上手く行った。
これじゃドラマとしても作りにくい。

今回はアフガニスタン。
相手は政権崩壊後も抵抗を続けるタリバンです。
目的はタリバン幹部「アフマド・シャー」の殺害または捕獲。
どんな奴かと言いますと山岳地帯周辺を縄張りに100-200名くらいの部下を抱えている。
村々を回って親米派と思しき連中を見せしめに処刑。
小さい。
なんか山賊の頭領に思えるんですが、ホントに幹部なんでしょうか。

最初に偵察隊の4人が降下。
たった4人で捕獲って無理じゃね?基本的に殺すって事ですよね。
まあ彼らはあくまでも斥候で、別に攻撃部隊が控えている。
この4人で生け捕りにするなんて考えていないのかも。
例え少数でもシールズは一騎当千。
そう思ったら意外な落とし穴。
潜伏してた場所に遊牧民がノコノコやって来てバッタリ。

開放したらタリバン連れて戻ってくる。
とりあえず拘束したものの扱いに困るわけです。
ただの羊飼いが衛星電話なんて持ってるはずありません。
タリバン兵じゃなくても協力者なのは間違いない。
しかし武器は持ってないだけにどうしたものか。
老人と子供2人というのも殺害するには良心がとがめると。
本部に指示を仰ごうとするも電波が悪くて繋がらない。
自分たちで判断しなきゃなりません。

開放か、殺害か。
揉めに揉める偵察部隊ですが最終的には、
交戦規定に従い非戦闘員は開放。
これでタリバン兵が来ます。
別にタリバンに好意的じゃなくても脅迫されている可能性がある。
そうじゃなくても同じアフガン人のイスラム教徒とアメリカ人の多分キリスト教徒。
アメリカ人に肩入れする理由はありません。
作戦は失敗ということで撤退して終了。
ところが逃げるより早くタリバン兵がやって来た!
子供の一人が予想以上に足が早くてあっという間にタリバン呼んできちゃったんですね。

タリバンの山狩りじゃぁぁあああ!!
カラシニコフ持った民兵程度ならシールズの敵じゃありません。
しかし数が多い上にPKM機関銃やRPGなど敵はどんどん繰り出してくる。
やられてもやられても湧いてくる様はまるであの虫のごとくです。

対してこちらはたったの4人。
火力と損害に対する回復力の差は如何ともし難い。
シールズが次々に負傷してどんどん追い込まれていく。
逃げるにしても崖みたいな所をゴロンゴロン転がっていくのはビックリしましたね。
岩とかあるのでヘタしたら頭打って即死です。

た、隊長ーーー!!
負傷や出血で前後不覚になる隊員も居ますが、決して戦意を失わないのはさすがシールズ。
必ず連絡をつけてやる。
来た道戻って崖の先っちょで何とか連絡を取ると隊長。
残りの弾倉を渡して登っていく様は、もう死を覚悟してますね。
祈りが通じたのか見事通信に成功しますが…やはり撃たれました。
崖を転がるときに撃たれた隊員と合わせて2人が死亡です。
しかし隊長の置き土産の救援要請で2機のヘリがやって来た。

ところがRPGの攻撃が…。
何か「ブラックホーク・ダウン」で見たような光景ですね。
大量の犠牲者が出たのはこのヘリが墜落・乗員全員死亡したからです。
指揮官の少佐や変なダンス披露した新人君も何の見せ場もなかった。
それを見たもう一機のパイロットは即座に帰投を決定。
行くな!俺たちを降ろせ!仲間がいるんだ!!
銃まで突き付けて激しく抗議する救出部隊ですが、やむを得ません。

護衛が無かった。
あっさり落とされた原因は救助部隊を載せた輸送ヘリが護衛無しでやってきたから。
攻撃ヘリが別の任務で出払っており帰ってくるまで待てと言われた。
待ってられないと飛び出していった末の悲劇でした。
仲間を思う気持ちが裏目に出てしまった訳ですね。

気づけばラトレル一人。
今一人も撃たれ、たった一人で逃亡を続けるマーカス・ラトレル一等兵曹。
しかしまたしても羊飼いっぽい子どもと老人に見つかってしまう。
さっき逃がした奴らと同じに見えますが、別人です。
手榴弾を手に「近づくとドカンだぞ!」と威嚇。
でも言葉が通じない。
普通のハリウッド映画だと「何故か」英語を話せる人が助けてくれるんですが、そんな都合のいい話は無かった。
でもこの人不思議な事にラトレル を助けてくれると。

民族部族対立かな?
と思ったんですがタリバンはパシュトゥン人中心、そしてこの人もパシュトゥン人。
増々持って助けてくれる理由が分かりません。
言葉が通じないのでコミュニケーションが全く取れないのが困り者。
正直助けてくれるのか捕らえられたのかよく分からないと。
しかし手当をしたり食料もくれたりとやはり助けてくれたのは間違いない。
言葉が通じないので地図を使って必死に米軍基地の場所と手紙を託すラトレル。

追手が来た!
匿ってくれた村にアフマド・シャーの追手が来ました。
ラトレルは引き出されあわや斬首刑。
しかしこの村の長老はアフマド達に銃を向ける。
助けを求めてきた客人は、どんな犠牲を払っても守り抜く 。
パシュトゥン人の古い掟に従っていたのでした。

正直客人と呼べない気もしますが、彼らが言うのだからそうなのでしょう。
分かってても簡単にできることじゃありません。
アフガンじゃアメリカの味方=利敵行為に取られかねません。
たまたま出会ったのが古風で情に厚い人。
全くもって不幸中の幸いでしたね。

全面攻勢。
一度は引いたアフマド一派ですが、当然仲間を引き連れて戻ってきた。
一気に攻められて村が壊滅寸前、ラトレルの命も風前の灯です。
しかしここにラトレルの手紙を受け取った救出部隊が万全の備えでやってきた。
間一髪ラトレルは救助され九死に一生を得たと。

終わってみればボロ負けもいい所なんですが、なぜこういう話を映画化したのか。
ピンチに陥るほうが絵になるからというのもあるでしょうが、絶望的大ピンチで逆転もない。
しかもこの時米軍はアフマド・シャーを討ち漏らしており目的も果たせていない。
あるとすれば死んだ隊員たちの名を広く知らしめるためでしょうか。
秘密作戦ばかりで普段は決して表舞台に出ない。
だからこそ死んだ隊員たちには少しでも光を当てよう。
そんな気がしてなりませんね。

公式サイト / ウィキペディアimfab(登場した銃器の紹介)


おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)