KSC/SIG P230&P230JP
ジャンル | 作品 | 使った人 |
---|---|---|
漫画・アニメ | GUNSLINGER GIRL | トリエラ(P230SL) |
--- | --- | 日本警察・SP(P230JP) |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
SIG/SAUERの警察向け拳銃
軍用にP220シリーズを開発する一方、警察向けに開発されたのがP230シリーズです。
口径にバリエーションがあり、
- 9×18mm(9ミリポリス弾)
- 9×17mm(9ミリクルツ、9ミリショート)
- 7.65mm(32ACP)
逆に警察拳銃として注目したのが日本です。日本警察は大型・強力志向では無かった為か、 ニューナンブM60の後継トライアルで採用され、マニュアルセフティやランヤードリングを追加したJPモデルとして配備されています。 尚、警察幹部でワルサーPPKを大層気に入った人がいたものの、基本設計が古いことで採用が見送られた話があるそうです。スタイルが似ていて設計が新しいP230が配備されたのはこれが影響しているかもしれません。
機構としてはワルサーPPシリーズのブローバック方式を踏襲しながら、SIG/SAUER拳銃らしくデコッキングレバーのみでマニュアルセフティ無し(P230JPはあり)、PPシリーズでは別部品だったトリガーガードがフレームと一体化されています。
他のバリエーションとしてP230のステンレス版であるP230SL、排莢不良対策の為スライドの後退量を増やしたP231とそのステンレスモデルであるP231SL、スライドに加えグリップやセレーション、サイト形状の変更を施したP232と同ステンレスモデルのP232SLがあります。
ドラマやアニメでP230を目にする機会が増えたことから興味を持ちました。 yatuさんがKSCのP230およびP230JPを所持しており、代理でレポートをする事にしました。
左:P230、右:P230JP
小さいなぁ
大型拳銃を見慣れていると、かなり小さく感じます。
大型拳銃として設計され、のち銃身やグリップを切り詰めてコンパクト化した拳銃がありますが、
スライド後部〜グリップのラインは縮めようが無いので「寸詰まり」に見えてしまいます。
P230は最初からこのサイズで設計されている為、こうした違和感がありません。
KSCブランド最初の製品
P230以前にM93Rを販売していますが、あれば旧MGCから継承した製品です。
KSC単独で設計・開発したのはP230シリーズが最初になります。
フレームのあちこちに打たれた刻印や、小型拳銃でありながらエキストラクターを金属の別部品にするなど、KSCの拘りが既に見られます。
唯一残念なのがファイアリングピン。東京マルイの様に六角ネジです。 のち開発のSOCOMではスプリングまで内蔵し、押すと引っ込むファイアリングピンを再現しています。サイズや作動効率を考えた末の決断とは思われますが、今後是非改良して欲しい部分です。
P230とP230JP
両者の違いは左側に集中しています。P230JPでマニュアルセフティとランヤードリングの追加、それに伴うグリップ形状の変更です。
また右側では刻印が違い、
P230は9mmクルツ、P230JPでは7.65mm(.32ACP)と口径を変えています。
右から見るとあまり違わない
二重の安全装置
P230JPの特徴であるマニュアルセフティですが、何とも不思議な仕様です。
このセフティ、ハンマーダウン状態で無いと掛かりません。
つまりP230JPではセフティを解除したのち、重いダブルアクションで引かないと弾が発射されません。
「デコッキングレバーがあるからマニュアル・セフティは不要である」
というSIG/SAUERの設計思想が否定されてしまいそうですが、
「初弾発射の手間を増やしてでも万が一の暴発を防ぎたい」
という日本警察の思惑が感じられます。
この状態から抜き撃ちとか大変そう
実射、トイガンとしての違い
「KSC初期の製品だからスローバックだろう」というのはとんでもない勘違い。バシバシ高速でブローバックします。
スライドが軽いのを差し置いても、後発のクーガーやSOCOMとは比べ物にならない程動きます。
特にP230JPが速かったです。P230のエンジンがヘタっていたのか、それともP230JPでシリンダーが改良されているのかは不明ですが、買うなら最近発売された機種か最新ロットの製品が良さそうです。
尚、毎度の事ながら命中精度の調査はしていません。
両者を比べると、インナーバレルとローディングノズルの色が違いました。 P230は真鍮むき出しの金色、P230JPはメタリックな黒色にメッキされています。 後者のほうが目立たないのでより格好良く見えます。
インナーバレル。左がP230(金色)、右がP230JP(黒色)。ローディングノズルも同色
マガジンのパッキンも形状が違います。P230では直線的なカットですが、P230JPではカーブがかかっています。 ただ両者のマガジンを交換しても作動はしましたし、どう違うのかは良く分かりませんでした。
マガジン比較。ガス放出口のパッキン形状が違います。
もっと評価されても良い製品
私自身、大型拳銃が好きで食わず嫌いしていたなと感じさせられる製品でした。
シリンダーの六角ネジは頂けませんが、他に気になるところはありません。
アクセサリも充実しており、後述の通りコラボモデルの発売が予定されています。
この機会に一度手にとって見ては如何でしょうか。
個人的には錆や退色に強いシルバーメッキの製品を買ってみたいです。
借り物なので好きな所は省略です。
借り物なので嫌いな所は省略です。
実銃のバリエーションは殆ど出ています。P231は外観がP230とあまり変わらないのでスルーしたものと思われます。 またアニメ「ガンスリンガー・ガール」とのコラボレーション企画として、P230SLの西ドイツ製初期バージョンを再現した「モデッロT」が発売する予定です。 あとメッキ仕様になると2,000円も値段が上がるのはちょっと驚きました。
メーカー | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
KSC | P230 | 14,490円 |
KSC | P230SL | 16,590円 |
KSC | P230JP | 16,275円 |
KSC | P232 | 14,700円 |
KSC | P232HW | 16,590円 |
KSC | P232SL | 16,800円 |
KSC | P230U-18 | ---円 |
KSC | P230SLモデッロT | ---円 |
サプレッサーやコンペンセイターなど、KSC純正のカスタムパーツが多い商品です。 クーガーもそうですが初期のKSC製品にはアクセサリが充実していました。 最近は本体だけの製品が多いので、ちょっと残念ですね。
メーカー | 商品名 | 価格 |
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KSC | P230/232 12連マガジン(黒) | 2,625円 |
KSC | P230/232 12連マガジン(銀) | 3,150円 |
KSC | P230 ショルダーホルスターセット・デラックス | 15,225円 |
KSC | P230 ショルダーホルスターセット・スタンダード | 11,550円 |
KSC | P230/232 サムブレイクヒップ(左) | 4,830円 |
KSC | P230/232 ダブルマガジンパウチ | 5,040円 |
KSC | P230 ロングアウターバレルセット | 1,575円 |
KSC | P230 ロングインナーバレルL | 2,100円 |
KSC | P230 ロングインナーバレルS | 1,890円 |
KSC | P230 P230 コンプA(黒/ラウンドサイド) | 2,310円 |
KSC | P230 P230 コンプB(黒/フラットサイド) | 2,100円 |
KSC | P230 P230 コンプC(黒/ポーテッドサイド) | 2,520円 |
KSC | P230 P230 コンプA(銀/ラウンドサイド) | 2,310円 |
KSC | P230 P230 コンプB(銀/フラットサイド) | 2,100円 |
KSC | P230 P230 コンプC(銀/ポーテッドサイド) | 2,520円 |
KSC | P230 トレイサーアダプターセット | 1,260円 |
KSC | P230 サイレンサー22L(黒) | 3,675円 |
KSC | P230 サイレンサー22L(銀) | 3,675円 |
KSC | P230 サイレンサー22S(黒) | 3,150円 |
KSC | P230 サイレンサー22S(銀) | 3,150円 |
KSC | P230 ロングインナーバレルL | 2,100円 |
部品 | 症状 | 対策 |
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特になし |
モデルガンで出しても良いんじゃないか
と思える数少ないモデルです。
日本の警察で採用されている為、映画・ドラマのプロップ(小道具)として需要があるからです。
KSCは既にガスガンを作っており、また現在ドラマやアニメとのタイアップを推し進めている姿勢から、作っても不思議は無いと思います。