WA/SIG ARMS GSRスライドシルバーモデル
種別 | 仕様 |
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リリース | 2006年07月 |
バージョン | SCW3 |
スライドノッチ | 非貫通ワイド型、めくれ対策なし |
フロントサイト | ドブテイル(ドット有) |
リアサイト | ノバック型(ドット有) |
トリガー | ラージサイズ、三角3ホールトリガー(銀) |
バレル | 真鍮製メッキアウター&真鍮製メッキインナー、プラグ一式 |
セフティ | 5mm軸シングル |
スライドストップ | 抜け易い |
フレーム | 実物グリップ装着可 |
ジャンル | 作品 | 使った人 |
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メタルギア・ソリッド4 | ゲーム | オールド・スネーク(ブラックモデル) |
※TV・映画では俳優名、漫画・アニメ等では役名を記述 |
左右両面
SIGの躍進
SIGはグロックやベレッタとともに、ダブルカアラム9mmオートの中心を担ってきたヨーロッパの銃器メーカーです。1980年代からアメリカのM1911やS&Wオートを脅かし、
特に1985年の米軍トライアルでベレッタのM9が採用すると、ヨーロピアンオートが米国市場を席巻する流れが一気に加速しました。
ガバメント復古
ところが時限立法のブレイディ法案や9mmに対するアメリカ人の懐疑などで、元のM1911・45オートに回帰する動きが出てきます。
といってもミリタリーそのままのM1911では流石に時代遅れで、ガバメントの本家コルト社も凋落していました。
代わりに台頭してきたのがスプリングフィールド、キンバーといったガバメントのクローン(コピー)を製造する会社です。
このうちキンバーが1,000ドル前後でカスタムパーツをフル装備したモデルを販売するようになるとこの流れが一気に加速した気がします。
そんな中、SIGが発売したM1911が「GSR-Granite Series Rail」です。
SIG GSR
最大の特徴はスライドです。SIGらしい角ばったデザインをしています。一見するとガバメントのフレームにP226のロングスライドでも載っているかの様です。
SIGの意匠を残すという意味では良かったと思うのですが、一つだけ疑問が。
「ガバメント用のホルスターに入るのかな」
周辺機器が活用できないと販売に響くんじゃないでしょうか。
前述のとおりGSRには「グラナイト・シリーズ・レール」という意味があります。 SIGのアメリカ拠点、ニューハンプシャー州は別名グラナイト・ステートと呼ばれるほど花崗岩の算出で有名なんだそうです。 またこのイメージを人に当てはめて、ニューハンプシャー市民は花崗岩のごとく屈強という自負もある様で、ここから名称が付けられています。
ネットオークションで中古品を購入。 GSRシリーズ第2弾として発売されたモデルで、前作が「マグナテック・カスタムライン」 だったのに比べ「SCW」と銘を打っており、グレードが違う事をアピールしています。 本当にSCWグレードなのか、マグナテックとほぼ内容で、名前を変えただけなのかを見ていくことにします。
木製グリップが違う気がする
購入する時迷ったのがこの部分。公式サイトとグリップの色味が違いました。
公式の写真には明るい茶色のグリップが付いていますが、当モデルに装着されているのはこげ茶色。
中古品なので「グリップが付け替え」られた可能性があります。
右側面。グリップの色が違うような…
2トーン
スライドがシルバー、フレームがブラックの「リバースツートーン(逆二色)」と呼ばれる構成です。
SIGやキンバー製品に見られる組み合わせですが、あまりガバメントタイプには合わない気がします。
フレームシルバーを見慣れているせいかもしれませんが。
フレームが…
SCWグレードなのにABS製なのは残念です。
木製グリップを付けるくらいならフレームをHW化した方が良かったと思います。
但し実銃グリップが付くところはポイントが高いです。
またネジ受けが通常の真鍮ではなくクロームメッキされているのが珍しいです。
グリップ部分。実銃用グリップ装着可能、ネジ受けがクロームメッキされています
インナーバレル
真鍮をメッキしたインナーバレルを採用。ちゃんとSCWグレードに仕上がっています。
ここは嬉しかったです。
レバー類
下地の仕上げはきちんとしてある様です。ただ塗料は相変わらず厚塗りしている感じがします。
スライド分解中。リアサイトは左側からが抜きやすかったです
スライド裏側。金属のプレート入り
スライドを分解
アウターバレルもマグナテックGSRのアルミ製→真鍮メッキに変わっています。
バレルブッシングは分厚いタイプです。
スライド裏側前方に金属板がインサートされています。
スライド分解+マガジン
プラグ
GSRスライド専用プラグといって良いプラグです。
- 通常のプラグと違い円柱ではない、ウエイト付
- プラグ後部が太くなっており、通常のM1911スライドに入らない
- プラグのフランジ(ふち)にすり合わせ用の突起がある
GSRプラグ。他のM1911スライドには途中までしか入りません
その他
スライドレールにブリーチ取り外し用の切り欠きが無いタイプで、
ブリーチが外れにくいSCW3の中でも特に外すのが大変でした。
作動
例によって初速、命中精度は省略です。
作動は普通のSCWといった印象で、ビシビシブローバックします。
フレームを分解。下のネジ受けが銀色です
まとめ
手に取るまであまり良い印象が無かったのですが、思ったより品質は良いなと思いました。
フレームはABS製ですが、インナーバレルはメッキされているなどGSRレボリューションより上のグレードとなっています。ただ同じグレードにスライドブラックHWモデルがありますので、普通はこちらを買う人が多いと思います。
少し毛色の違うGSRを希望する場合はどうぞ、という感じです。
- フレームのデザインと実銃用グリップが付く所
- フレームがHW樹脂製じゃ無い所
- 2トーンカラーが今ひとつ似合ってません
GSR用の木製グリップがアルタモント社より発売されています。 前述の通りフレームの性質上、実銃用M1911グリップが装着可能です。
メーカー | 製品 | 価格 |
---|---|---|
アルタモント | SIG GSR用ダイヤチェッカーグリップ(ウォールナット) | 7,875円 |
アルタモント | SIG GSR用ダイヤチェッカーグリップ(ローズウッド) | 7,875円 |
アルタモント | SIG GSR用ダイヤチェッカーグリップ(シルバーブラック) | 7,875円 |
部品 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
特に無し |
フルHW、オールシルバーのGSR希望
最近カーボンブラックでGSRが再販されましたが、オールシルバーHWを出してもらえないでしょうか。
シルバーHWのレール付きフレームは未だに発売されていません。
GSRのラインナップとして
- GSRオールブラックHW
- GSRオールシルバーHW
- GSRレボリューション・オールブラックHW
- GSRレボリューション・オールシルバーHW
これがベストだと思います。 更にHWレール付きフレームをキャスピアン系のカスタムに流用するのが最も効率的と思うのですが、如何でしょうか。 その際のスライドはヴィッカーズのを転用すればバッチリかと。
ホールド・オープン。フレームの材質以外は及第点